月曜の朝、佐藤さんは出漁前にスマホを開く。見るのは天気予報ではなく「今週の市場相場」だ。先週からの価格変動が、グラフで直感的に頭に入る。
今日はどの水揚げを狙うべきか。カレンダーの「来週の休市日」も確認し、電話で誰かに問合せなくても今日の狙いが定まった。
広報誌を紙からWebシステムへ移行すると、現場はどう変わるのか?
一本釣り漁師・佐藤さん(52歳)の一週間を通して、「市場情報の確認」「生産品の発信」「ペーパーレス化」「アンケート回収」などの機能がどのように溶け込むかをご紹介します。
特別じゃない、ごく普通の7日間。その中に広報DXのリアルな場面が詰まっています。

『はいろ』は、漁協・農協が発行する組合報をデジタル化し、スピーディかつ多機能な情報共有システムとしても使えるようにします。組合員にとって必要な情報を「見やすく・伝わりやすく・参加しやすく」する。ここでは、ある組合員の一週間を通して、その具体像をご紹介します。
月曜の朝、佐藤さんは出漁前にスマホを開く。見るのは天気予報ではなく「今週の市場相場」だ。先週からの価格変動が、グラフで直感的に頭に入る。
今日はどの水揚げを狙うべきか。カレンダーの「来週の休市日」も確認し、電話で誰かに問合せなくても今日の狙いが定まった。
漁を終えて一息ついているとき、通知が届いた組合報を開く。更新されていたのは「若手組合員インタビュー」だった。

伝統的な手法の中に新しい技術を取り入れる試みについてのインタビュー記事。
滅多に顔を合わせない隣地区の若手。その熱い想いに触れ、佐藤さんは自分が組合に入った頃のことを少し思い出した。
今日揚げたばかりの極上マダイ。佐藤さんはスマホでサッと写真を撮り、自分の「生産品ページ」へアップロードした。



以前「このページを見て注文しました」と料亭から声が届いた。「誰がどう獲ったか」が伝わることで、魚の価値が変わることを実感している。
来月の総会に向けた資料が届いた。以前なら紙で配られ、いつの間にか机の引き出しの奥に消えていた書類たちだ。
今はペラペラとめくる必要もなく、気になる箇所だけピンポイントで確認。ペーパーレスで探す手間もなくなった。
組合からアンケートの通知が届いた。「新出荷ルールの運用について」。匿名回答なので、現場のリアルな本音を率直に入力した。
総会で手を挙げて発言するのは勇気がいるが、これなら全員の声が可視化される。集計結果は自動でグラフになり、次回の理事会で協議されるらしい。
時間のある休日に組合掲示板を覗いてみる。「今週の潮の動き」についてのスレッドが賑わっていた。

顔を合わせるのは月1回の会合だけでも、こうして日々のちょっとした情報交換が積み重なっていく。
特別な事件は何も起きない、ごく普通の1週間。しかし、月曜は市場の数字を、火曜は仲間の言葉を、水曜は自らの発信を、木曜は必要な資料を、金曜は自分の意見を、週末は仲間との対話を。
『はいろ』は、佐藤さんの日常のすぐそばに、当たり前のように存在していました。
かつての組合報は、配られて、目を通して、それでおしまいでした。
これからの組合報は、読みながら、自分も組合に少しずつ参加していく場所になります。